図書館の運営を企業委託するのが、最近のトレンドのようですね。
それ自体にどうこう言いたくはないし、効率化が必要なことは効率化するのは
問題ないと思います。ただよく見掛けるのは、常識の範囲や遠い昔に勉強した
ことの欠片で考えてみても変じゃないか?って思うような話題ばかりで気にな
るので、思ったことを書いてみたいと思います。
つい先日、TwitterのTL で流れていた発言の中に、こんなものが流れてました。
各地でツタヤに運営委託の図書館が続々誕生 愛知県小牧市の「ツタヤ図書館」 ・郷土資料も廃棄、貴重本でも容赦なく捨てられる ・新聞縮刷版も廃棄された 佐賀県武雄市 ・郷土史の資料破棄してクズ本にロンダリング ・地元の人から寄贈された蘭学の歴史資料を「誰も借りてない」と廃棄
— たむら けんご (@kochat) 2015, 9月 18
正直、またこの手の話題か・・・と言う気持ちもあったんですが、廃棄処分になった
ものに目がいって驚きを隠せませんでした。郷土資料は貴重品だから簡単に捨て
ちゃいけないのは、司書だったら常識だと思っていたものですから。
いや、本当にびっくりしましたね。びっくりしたついでに、このような記事も読みました。
それが本当かどうかまで調べる気になりませんが、本当だったら即時改善して欲し
いものです。
図書館所蔵の貴重本に限って言えば「貸出回数が少ない=不要」じゃないんです。
効率化はたしかに必要な概念ですが、「一般書で貸出回数が少ない本」と貴重本
や郷土資料の扱いを一緒くたにするのが拙い対応なんです。
私は、図書館運営の企業委託が全てこのようなことになる訳ではないと思っていま
す。ですが、その地域の文化を支える拠点としての公共図書館を破壊するような行
為は許されないと思います。なぜなら、それが公共図書館の使命だからです。
歴史上の出来事や最近の海外での出来事を引用するまでもなく、文化を破壊した
ら、二度と元に戻せないってことに心を配って下さい。これは図書館に限ったことで
はないですが、たまたま私が触れた事例が図書館でしたので、その感想を書いた
までです。